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更新日:2016年12月13日

藤沢市環境基本条例

制定1996年(平成8年)9月20日

藤沢市条例第16号

改正2000年(平成12年)3月30日

藤沢市条例第44号

私たちのまち藤沢は、豊かな緑、美しい湘南の海などの素晴らしい自然環境と温暖な気候に恵まれ、歴史と地域の特性を生かしながら、ここに生活する人人の参加と努力により今日まで商工業、農業、観光、文教、住宅など多様な性格を持つ調和のとれた都市として目覚ましい発展を続けてきた。しかしながら、これまでの都市の発展の中で、人口の増加、産業の拡大、生活における便利さと豊かさの追求などによる資源及びエネルギーの大量消費や緑と自然の減少をもたらし、また、廃棄物問題も深刻化するなど、大きな環境の課題に直面している。さらに、今日の環境問題は、地域の環境にとどまらず、地球的規模の環境までに及び、私たちの生活の基盤である地球自体の環境が脅かされるまでに至っている。もとより、私たちの誰もが、健康で安全かつ快適な生活を営むことができる良好な環境を享受する権利を有するとともに、このかけがえのない恵み豊かな環境を保全し、将来の世代へ引き継いでいく責務を担っている。私たちは、自らがこれまでの社会経済システムや生活様式を見直すとともに、市、事業者、市民などすべての主体が協力し合いながら、それぞれの立場で努力し、かつ、行動していかなければならない。このような認識のもとに、私たちすべての共有財産である藤沢の環境の保全及び創造並びに人と自然との共生を図り、持続的な発展が可能な社会の構築と地球環境の保全に貢献していくため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条

この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに市、事業者、市民及び滞在者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を市民参加の下に総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で安全かつ快適な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条

この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  • (1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
  • (2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で安全かつ快適な生活の確保に寄与するものをいう。
  • (3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条

環境の保全及び創造(以下「環境の保全等」という。)は、市民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要となる良好な環境を確保するとともに、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全等は、人と自然とが共生することができ、かつ、環境への負荷の少ない循環を基調とした持続的に発展することができる社会を構築することを目的として、市、事業者及び市民がそれぞれの責務に応じた役割分担の下に自主的かつ積極的に行われなければならない。

3 地球環境保全は、市、事業者及び市民が自らの課題であることを認識し、それぞれの事業活動及び日常生活において、積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条

市は、前条に定める環境の保全等についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全等に関し、市の区域の自然的社会的条件に応じた基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、前項の環境の保全等に関する施策のうち、市の区域を超えた広域的な取組を必要とする施策を策定し、及び実施するに当たっては、国及び他の地方公共団体と協力してその施策の推進に努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条

事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、及び廃棄物を適正に処理するとともに、自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

3 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に際して、環境の保全等に関する方針の策定、目標の設定、計画の作成及び実施、体制の整備並びにこれらの監査の実施等からなる自主的な環境管理を行うように努めるとともに、市が実施する環境の保全等に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条

市民は、基本理念にのっとり、その日常生活に伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全等に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全等に関する施策に協力する責務を有する。

(滞在者の責務)

第7条

旅行者その他のこの市に滞在する者は、基本理念にのっとり、その滞在に伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全等に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全等に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 基本施策

(市の基本施策)

第8条

市は、基本理念の実現を図るため、次に掲げる環境の保全等に関する基本的な施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

  • (1) 公害の防止策を進め、人の健康の保護及び生活環境の保全を図ること。
  • (2) 野生生物の生息又は生育に配慮し、多様な生態系の確保を図るとともに、森林、農地、谷戸等の適正な保全及び地域に応じた自然植生による緑化の推進を図り、人と自然との豊かな触れ合いの場を確保すること。
  • (3) 海岸、河川等の水辺地の環境の適正な保全及び整備を図るとともに、水と緑を生かした都市基盤の整備を推進すること。
  • (4) 地域の特性を生かした良好な景観の形成、歴史的遺産又は文化的遺産の保存等を推進し、潤いと安らぎのある都市環境の実現を図ること。
  • (5) 地域の都市環境及び自然環境に配慮した秩序ある開発行為が行われるために必要な措置を講じ、良好な都市の形成を推進すること。
  • (6) 廃棄物の減量化、資源の循環的な利用、エネルギーの効率的利用等を推進するとともに、環境の美化を推進すること。
  • (7) 廃棄物処理施設、公共下水道その他の環境の保全等に資する公共施設の整備を図るとともに、環境への負荷の低減に資する原材料、製品等の利用が促進されるために必要な措置を講ずること。
  • (8) 地球の温暖化の防止、オゾン層の保護等に関する施策を推進するとともに、国、他の地方公共団体その他関係行政機関と連携し、地球環境の保全に関する国際交流を推進し、及び地球環境の保全を図ること。
  • (9) 前各号に掲げるもののほか、環境の保全等のために必要であると市長が認める施策

第3章 総合的推進のための施策

(環境基本計画)

第9条

市長は、前条の施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全等に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、環境の保全等に関する総合的かつ長期的な目標、施策の方向、及び配慮の方針その他良好な環境の保全等のために必要な事項について定めるものとする。

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ事業者及び市民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、第21条に規定する藤沢市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境基本計画との整合)

第10条

市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るよう努めなければならない。

2 市は、前項に規定する整合を図るために必要な体制を整備しなければならない。

(年次報告)

第11条

市長は、市の環境の状況、環境の保全等に関する施策の実施状況等を明らかにするため、環境基本計画に基づき年次報告書を作成し、これを公表しなければならない。

第4章 効果的推進のための施策

(規制の措置)

第12条

市は、環境の保全等に係る支障を防止する必要があると認めるときは、当該支障を防止するために必要な規制の措置を講じなければならない。

(経済的措置)

第13条

市は、事業者及び市民が自らの行為に係る環境への負荷の低減その他環境の保全等に関する活動をすることとなるように誘導するために必要があると認めるときは、その活動を行う者に対して経済的な助成を行うために必要な措置を講じなければならない。

2 市は、事業者及び市民が自らの行為に係る環境への負荷その他の環境の保全等に係る支障を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動をしないこととなるように誘導するために必要があると認めるときは、それらの活動を行う者に対して経済的な負担を課すための措置を講ずるものとする。

(環境の保全等に関する教育及び学習)

第14条

市は、事業者及び市民が環境の保全等についての理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全等に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保全等に関する教育及び学習の振興について必要な措置を講じなければならない。

(自発的活動の支援)

第15条

市は、事業者、市民又はこれらの者の組織する民間の団体が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全等に関する活動が促進されるように、必要な措置を講じなければならない。

(市民等の意見の反映)

第16条

市は、環境の保全等に関する施策について事業者及び市民の意見を反映することができるように、必要な措置を講じなければならない。

(情報の提供及び公開)

第17条

市は、環境の保全等に関する活動の促進に資するため、環境の状況その他の環境の保全等に関する情報の提供及び公開に努めなければならない。

(調査及び研究の実施)

第18条

市は、環境の保全等に関する施策を適正に推進するため、環境の状況その他環境の保全等に関し必要な事項の調査及び研究を実施するよう努めなければならない。

(監視等の体制の整備)

第19条

市は、環境の保全等に係る支障の状況を把握し、及び環境の保全等に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定等の体制を整備するよう努めなければならない。

(財政上の措置)

第20条

市は、環境の保全等に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。

第5章 藤沢市環境審議会

(環境審議会)

第21条

環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、市の環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を調査審議するため、市長の附属機関として、藤沢市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事項を調査審議する。

  • (1) 環境基本計画に関すること。
  • (2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全等に関する基本的事項及び重要事項

3 審議会は、委員20人以内をもって組織する。

4 委員は、次に掲げる者のうちから、委嘱する。

  • (1) 市民
  • (2) 事業者
  • (3) 学識経験者

5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員が生じたときの補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員は、再任されることができる。

7 前各号に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附則(抄)(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

情報の発信元

環境部 環境総務課

〒251-8601 藤沢市朝日町1番地の1 本庁舎8階

電話番号:0466-50-3529(直通)

ファクス:0466-50-8417

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