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更新日:2024年4月25日
妊娠期にバランスの良い食生活を送ることは、赤ちゃんの健やかな発育のためにとても大切です。
若い女性のやせや食事バランスの偏りが、早産や低出生体重児などのリスクを高めることが報告されています。
「妊産婦の食生活指針」では、お母さんと赤ちゃんの健やかな毎日のための10のポイントが示されています。
食生活指針を参考に、妊娠前からバランスの良い食生活を心がけましょう。
また、バランスの良い食生活は、妊産婦本人だけでなく、家族の生活習慣病予防や健康づくりにもつながります。
将来の家族みんなの健康のため、この機会に家族の食生活を見直してみませんか。
1食に主食・主菜・副菜を組み合わせると、バランスの良い食事になります。
20~30歳代の若い世代では、主食・主菜・副菜のそろった食事をしていない人、野菜不足の人が他の世代に比べて多い状況です。
妊娠は食生活を見直すとても良い機会です。実際には妊娠前の食習慣をすぐに変えることは難しいですが、妊娠前から栄養のバランスに気をつけた食生活を心がけることが大切です。
(イラスト:国立健康・栄養研究所ホームページより引用)
<主食・主菜・副菜の揃った食事が1日に2回以上ある頻度(女性、年齢階級別)>
農林水産省「食育に関する意識調査報告書(令和4年3月)」より
主食とは、ごはん、パン、麺など、炭水化物を多く含み、エネルギーのもととなる料理のことです。
日本人の目標量と現状の摂取量を比べると、思春期を含む若い女性が十分にエネルギーをとっていない状況です。
妊娠すると、妊娠中期や後期では、妊娠前より250~450kcal多くとる必要があります。
妊娠前から、ごはん、パン、麺などの主食を毎食しっかり食べるよう心がけましょう。
妊娠中や授乳中は多くのビタミンやミネラルの摂取が重要です。中でも「葉酸」と「鉄」が不足しがちで、妊娠前から充分に摂取していることが大切です。
野菜には、葉酸や鉄を含めたビタミン・ミネラル、食物繊維も多いので、積極的にとりましょう。
葉酸は赤ちゃんの発育に欠かせない大切なビタミンです。赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防のために妊娠前から妊娠初期にしっかり葉酸をとることが大切です。この時期は通常の食事に加えサプリメントも活用しましょう。
また、葉酸は血管を守る働きがあります。心疾患や脳卒中等のリスクを下げ生活習慣病予防のためにも家族みんなで毎食野菜をたっぷり食べるよう心がけましょう!
<葉酸の多い食品>
ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、納豆、レバー、きのこ類、いちご、みかん、キウイ、バナナなど
<1日あたりの推奨量>
通常240μg 妊娠初期240+400μg 妊娠中期・後期240+240μg 授乳中240+100μg
※日本人の食事摂取基準(2020年版)より
妊娠が進むと血液量が増えるため、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。
出産時の異常出血等予防や産後の体力回復、母乳分泌のためにも、意識して鉄をとりましょう。
鉄は、ブロッコリーなどの野菜やかんきつ類などの果物に含まれるビタミンCと一緒にとると、吸収率が高まります。
<鉄の目標量>
妊娠初期 7.5mg/日 → 妊娠中期・後期 13.5mg/日
授乳中 9.0mg/日(母乳中の鉄の濃度を加味した付加)
※日本人の食事摂取基準(2020年版)より
鉄の多い食品一覧はこちら(PDF:171KB)
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
主菜とは、魚や肉、卵、大豆製品(納豆、豆腐)などを使った、食事のメインとなるおかずの料理で、たんぱく質や脂質を多く含みます。たんぱく質は、からだを作るのに必要な栄養素です。
魚や肉、卵、大豆製品は、種類によって含まれる栄養素が異なるので、特定の食材に偏らず、いろいろな組み合わせで食べるようにしましょう。
カルシウムは、骨や歯をつくる大切な栄養素です。日本人女性のカルシウム摂取量は平均的に不足しています。意識してとるよう心がけましょう。
きのこ類やサケ、サンマなどに多く含まれるビタミンDと合わせてとると吸収率がアップします。母乳の場合、ビタミンDをしっかりとると赤ちゃんのくる病予防にもつながります。
<カルシウムの目標量> 18歳以上女性 650mg/日 日本人の食事摂取基準(2020年版)
カルシウムの多い食品一覧はこちら(PDF:101KB)
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
妊娠しても太りたくない、また、あまり食べられないという妊婦さんが増えています。
体重が増えるのは、赤ちゃんのからだの分、胎盤や羊水の分、お母さんの子宮や乳房が大きくなる分、そして出産に備えるママの体力を維持する分が増えるからで、太ることとは違います。
妊娠中の体重増加が足りないと、早産や低出生体重児のリスクが高まります。
低出生体重児は、発育・発達の遅延や障害、成人後の生活習慣病等のリスクが高い等のデータがあります。
逆に、体重増加が多すぎると、巨大児や妊娠高血圧症候群などのリスクが高まります。
妊娠中の望ましい体重増加量は、お母さんの妊娠前の体格によって決まっています。
自分にあった体重増加量を確認してみましょう。
*BMIを計算してみよう! BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
*体格別の望ましい体重増加量(18~49歳)
参考:若い女性のやせについて(厚生労働省)(外部サイトへリンク)
妊娠前のBMI |
区分 |
妊娠全期間を通しての推奨体重増加量 |
18.5未満 | 低体重(やせ) | 12~15㎏ |
18.5以上25.0未満 | 普通体重 | 10~13㎏ |
25.0以上30.0未満 | 肥満(1度) | 7~10㎏ |
30.0以上 | 肥満(2度以上) | 個別対応(上限5㎏までが目安) |
母乳は子どもや母体にとって負担の少ない授乳方法なので、WHOでは生後6カ月までの母乳栄養を推奨しています。ただし、さまざまな原因で母乳育児が難しい場合もあるので、状況に応じて柔軟に対応しましょう。
授乳中のお母さんは、授乳に必要なエネルギーやたんぱく質をはじめ、多くのビタミンやミネラルを妊娠前よりも多く摂取することが望まれます。望ましい量を十分に摂取できるよう、バランスよくしっかり食事をとりましょう。また、十分な水分摂取も母乳には大切です。
授乳中、特定の食品をとりすぎたり避けたりすることで、子どもの発達が促進されたり、病気が予防できるというエビデンスはありません。
妊娠中、極端に運動不足であったり、運動をやりすぎることは、妊娠や出産に悪影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中の身体活動(日常の中で体を動かすこと)は、早産や低出生体重児のリスクを増加させない可能性があると言われていますが、「どのような運動をどれだけ行ったら良いのか?」については、日本ではまだ明確な根拠はありません。妊娠中に運動を始める場合は、医師や医療機関に相談の上、自分の体調に合わせて無理なく実践してみましょう。
たばこやお酒が胎児へ与える悪影響は大きいため、妊娠中は禁煙・禁酒が原則です。
身近な人に喫煙や飲酒の習慣があると、妊婦や授乳婦本人の喫煙や飲酒行動も多くなります。周りの人も自覚を持って禁煙・禁酒に協力しましょう。
また、受動喫煙は子どもの呼吸器疾患や中耳炎、乳幼児突然死症候群を引き起こすことが指摘されています。
妊娠中だけでなく子どもが生まれてからも、子どもにたばこの煙を吸わせないことが大切です。
禁酒や禁煙がうまくいかないときは、専門の医療機関を受診してみましょう。
お母さんと赤ちゃんのからだと心のゆとりは、家族や地域の方など周りの人々の助けや支えから生まれます。
周囲の人は、お母さんの不安をやわらげ、母子ともに健やかな生活を送ることができるよう協力しましょう。
妊娠・授乳期は、妊娠・出産・育児の開始と、からだの急激な変化に加え、毎日の生活リズムや社会的環境も短期間で劇的に変化します。そのため、身体的にも精神的にも不安定になりがちです。
周囲の人は、お母さんの気持ちをくみ取り、その時々に見合ったあたたかいサポートを心がけましょう。
また、妊産婦さんは、日々の食事の準備や授乳・育児に負担や不安を感じたら、家族や周囲の人々に頼ったり相談したりしましょう。
地域の支援センターや公民館、育児サークルなど、またミールキットや宅配サービスなども活用してみましょう。
インターネットやSNSなどで情報を集める方も多いですが、中には不安をあおるだけのものや、根拠のない偏った情報もたくさんあります。そのような情報に振り回されず、公的機関から発信された情報や出典のしっかりした情報を選ぶように心がけましょう。
(参考)
・妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(国立健康・栄養研究所)(外部サイトへリンク)
妊娠期に摂りたい栄養素や乾物などを活用したレシピです。
食生活改善推進団体「四ツ葉会」さんにご協力いただき作成しました。
ぜひご活用ください!
妊娠高血圧症候群予防や、将来の生活習慣病予防のため、塩分をとりすぎないようにしましょう。
離乳食や幼児食、また、家族の生活習慣病予防のためにも、家族みんなで日頃からうす味を心がけましょう。
<食塩の1日あたり目標量> 15歳以上 妊婦・授乳婦も含む
男性 7.5g未満 女性6.5g未満
<食品に含まれる塩分の量>※メーカーやお店により異なります
<おいしく減塩するポイント>
・漬け物や汁物、練り物など、塩分の多い食品を控える
・麺類、汁物の汁は残す
・汁物は野菜たっぷりの具だくさんに
・醤油、ソースは『かける』より『つける』
・ごま、青のり、ねぎ、青じそ、にんにく、しょうが、カレー粉、柑橘類など、塩分以外の風味を活用
・お弁当、外食、加工食品は栄養表示(食塩相当量)を参考にする
食中毒予防の基本として、食事の前や、調理中の生の肉・魚介類・卵をさわった後や、トイレに行ったりゴミ箱にさわったり、ペットにふれた後には、必ず手を洗いましょう。
また、妊娠中は免疫機能が低下して、リステリア菌やトキソプラズマ原虫などに感染しやすくなり、赤ちゃんに影響が出ることがあります。
生ハムやナチュラルチーズ、スモークサーモン、肉や魚のパテなど加熱せずにそのまま食べるものはなるべく避けます。
さらに、土にさわったり、ペットなど動物の糞尿を処理するときは必ず手袋を着用します。
参考:農林水産省「これからママになる方のための食中毒予防」(外部サイトへリンク)
魚介類は、良質なたんぱく質やEPA、DHA等の不飽和脂肪酸を多く含み、バランスの良い食事には欠かせません。
ただし、大型の魚(クジラ・イルカを含む)には、食物連鎖によって、自然界に存在する水銀が取り込まれています。特定の魚をたくさん食べるなど、偏った食べ方をすると、この水銀が取り込まれ、おなかの中の赤ちゃんに影響を与える可能性があると言われています。
魚を食べる時には、種類と量を確認して食べると良いでしょう。アジ、サバ、サケ、ツナ缶、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどは、安心して食べられます。
参考:厚生労働省「これからママになるあなたへ」(外部サイトへリンク)
ビタミン類はからだの調子を整えるので、野菜や果物から積極的にとることが大切です。
ただし、ビタミンAは、妊娠初期にとりすぎると、赤ちゃんに先天異常を起こす可能性があります。
ビタミンAの多いレバーやうなぎなどをたくさん食べ続けたり、ビタミンA を含む栄養機能食品やサプリメント等をとりすぎたりしないよう気を付けましょう。
妊娠中や授乳中、赤ちゃんの食物アレルギー発症予防のために、特定のものを食べない、または特定のものを積極的に食べることは、食物アレルギー予防には効果がありません。
逆に、極端な食物除去は、食事のバランスが悪くなり、必要なエネルギーや栄養素が不足する可能性があります。妊娠中や授乳中はバランスのよい食事を心がけましょう。
出典:「食物アレルギーの診療の手引き2020」「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き」
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